チクッとするだろう？

「チクッとするだろう？」



「うん、どうしてなの？」
「お前の心が荒んでるだよ」

私は疲れた
もう、とても立ち上がれない
やることすべてが裏目に出る

「周りは闇だらけか？」
「光が見えません」

私はこんな占い師に
何を求めようとしているのだろう
何でもいいから
すがり付きたかっただけかもしれない

占い師はカードを手に取ると
私に一枚ひくように差し出した

「これがお前のこれからするべきことだ」

はじめから信用なんてしてなかったが
何でもいい、きっかけが欲しかった
この一枚のカードが
生きるか死ぬか決めてくれるかもしれない

私はカードを一枚占い師に渡した

「死神だ」

どんなカードが出るのか心の準備をする間もなく
占い師はあっさりと言い放った

「ここがお前の終点だ」
「ええ・・そうですね、もう何もかも終りにします」





占い師の家から出ると
私は空を仰いだ
何かが終った
ここで終ったのだ




私はまっすぐ前を向いて走り出した
どこへ行くのかわからないが
ただ前を向いて走っていた

過去はもう終ったのだ
取り戻すことはできない



私の過去は死んだ
そして、新しい日が昇る